米軍が長崎に投下した原爆で破壊された教会の鐘が、80年を経て復元された。支援したのは、米国のカトリック信者たち。原爆を落とした側と、落とされた側をつないだのは、長崎の街が背負う、潜伏キリシタンと原爆の歴史だった。
7月17日、長崎市のカトリック教会、浦上天主堂。鐘楼への取り付け工事を前に、祝福式が催され、真新しい鐘に聖水が注がれた。
青銅製の鐘は、高さ66センチ、直径80.7センチ、重さ224キロ。式典では、澄んだ音色が、原爆の爆心地と重なる浦上地区に響いた。
カーン、カーン、カーン――。
「80年たって、浦上天主堂は完全に元に戻った。ここからまた始めようという合図です」
鐘を鳴らし、手を合わせた信者の森内浩二郎さん(72)は、そう感じる。森内さんは長崎の潜伏キリシタンの子孫で、被爆2世でもある。
ともに鳴らしたのは、米ウィ…